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イライラした時の特効薬

皆さんに質問です。

 

「イライラ」した時、どうしていますか?

 

・気分転換に体を動かす

 

・友達に話を聞いてもらう

 

・本やYouTubeを見て考え方を変えてみる

 

・瞑想やヨガをやって気持ちを落ち着ける

 

・お笑い動画を見て思いっきり笑う

 

自分なりの解消法をお持ちではないでしょうか?

 

私はどれも「自分を大切にする」行為だと思うのでぜひ続けてほしいと思います。

 

今日はもう一つ加えてもらえるといいなあと思う方法を紹介します。

 

イライラを短時間でスッキリさせる方法です。

 

 

実は感情には2種類あるってご存知でしたか?

 

「本物」と「にせもの」です。

 

え?本物とにせもの?

 

驚かれた方も多いと思います。

 

1950年代にアメリカで交流分析を提唱したエリック・バーン

 

と言う精神科のお医者さんがいました。

 

彼はそれまでの難しい言葉を使った専門家しか理解できない心理学ではなく

 

10歳の子供でも分かるような、口から口(口語)で伝えられるような

 

心理学を発表しました。

 

それが「交流分析」です。

 

その中に「本物の感情とにせものの感情」の概念があります。

 

わかりやすく事例を用いて説明しますね。

 

フルタイムの看護師をしながらワンオペで育児をしている

 

30代の女性クライアントさんのお話です。

(ご本人の許可をいただいています)

 

彼女は平日はもちろんのこと休日も朝から動きっぱなしです。

 

ご主人は単身赴任で週末しか帰って来ません。

 

子供たちは小学生と保育園児、まだまだ手のかかる年頃です。

 

毎週末に帰ってくる夫は一週間の疲れを取るべく一日中ソファでテレビを

 

見ながらゴロゴロしています。

 

完璧主義で「こうあるべき思考」が強い彼女は、愚痴ひとつぼさずに

 

黙々と家事と子供の世話をこなします。

 

どんなに大変でも必ずやり遂げる自分をひそかに自負していました。

 

ですが、子供たちが言うことを聞かない時や自分の体調が悪い時などは

 

ついイライラしてして子供や夫に当たってしまいます。

 

夜になって一日を振り返り、自分を責めては落ち込むことが

 

パターン化していました。

 

「イライラがなくなるといいのに!」

 

と、思えば思うほどひどくなるのです。

 

最近では子供に手が出るようになってしまい

 

「このままではいけない」

 

と危機感を感じてカウンセリングに来られました。

 

 

彼女の場合、イライラは「にせものの感情」でした。

 

「にせものの感情」は感じるほどにひどくなると言う「特徴」があります。

 

最終的に自分でコントロールできないほどにイライラが悪化したのは

 

にせものの感情だったからなのですね。

 

 

こういう場合は「感情処理法」と言う技法を使ってにせものの感情を減らします。

(※感情処理法はメンタルサポート研究所が開発したオリジナルの技法です)

 

その前にまずは彼女のお話をしっかりと聴かせていただいて(傾聴)

 

思っていることや感じていることをすべて表に出してもらいます。

 

これはカウンセラーとの相性や信頼関係の構築の度合いですぐに

 

出てくる場合もあれば、時間がかかる場合も。

 

個人差があります。

 

彼女の場合は切羽詰まっていて

 

「この問題を解決したい!」

 

と言う気持ちが強かったので、

 

早い段階で本音を聞かせていただくことができました。

 

本音を話した時に一切批判されずに

 

すべてを受け止めてもらうと心は安心します。

 

「何を言っても大丈夫なんだ」と言う安心感があって初めて

 

自分で気づかなかった「本音にアクセスできる」のです。

 

 

傾聴で心が安心したら次にイライラ(にせもの)を吐き出してもらいます。

 

身体の力を抜いて「イライラ」が身体の外側に出ていくようなイメージを

 

してもらいながら、深~く息を吐いてもらうのです。

 

「イライラしてはダメ」と思うほどにひどくなるのですから

 

まずは「イライラ」を肯定し、認めることがポイントです。

 

このあたりは「マインドフルネス」と同じですね。

 

イライラを息と共に吐き出すと少し落ち着きます。

 

次に「本物の感情」に焦点を当てます。

 

ゆで卵を想像してみてください。

 

黄身の外側に白身がありますよね。

 

本物の感情を「黄身」だとすると、にせものの感情は「白身」です。

 

まずは白身を取らないと黄身は見えてきませんよね。

 

 

感情も同じだと考えます。

 

イライラ(白身)を取るからこそ、本物(黄身)が表に出てくるように

 

なるのです。

 

その時にちょっとしたテクニックを使います。

 

イライラを感じている時、

 

「体のどこかが反応していませんか?」と尋ねます。

 

すると

 

「こめかみが痛いです」

 

「胸の辺りが苦しいです」

 

「のどに違和感があります」

 

など言われる方が多いです。

 

これはにせものの感情(不快感情)が身体症状として出ているからだと考えます。

 

(クライアントさんにお願いして)その部位に手を当ててもらいます。

 

カウンセラー「○○さんのこめかみが言葉を話せるとしたら何て言ってると思いますか?」

 

クライアント「もう疲れたと言ってます」

 

(注:言葉が出にくい方もいます。そういう場合は別の方法を使います)

 

「疲れたと言ってるんですね。その(もう疲れたと言う)思いや気持ちを

 

そのまま呼吸と共に吐き出してください」

 

「もう疲れた」と言う気持ちを外に吐き出すほどに

 

クライアントさんは自分の内側に意識を向けるようになります。

 

気付きが起きやすくなります。

 

次に

 

「私はムカつく(腹が立つ)」

 

「私はかなしい」

 

「私はイヤだ」

 

「私はさみしい」

 

「私は怖い」

 

(感情処理法ではこの6つを本物の感情と考えます)

 

それぞれを一つずつ言葉に出してもらい、

 

ピンとくるか否かを感じてもらいます。

 

すると

 

「悲しい、がピンと来ます」

 

と言う答えが返ってきました。

 

「子どもが言うことを聞いてくれなくて悲しいんです」

 

「夫が私の体調を気にかけてくれなくて悲しいんです」

 

彼女の目にうっすらと涙が滲んでいます。

 

「そうですか…○○さんは悲しいんですね。」

 

「はい。もうこれ以上は無理と言ってます。」

 

彼女の心は悲鳴を上げていました。

 

この涙(悲しみ)が表に出たがっていた本物の感情でした。

 

カウンセラーはクライアントさんの気持ちに寄り添います。

 

ひとしきり吐き出したあと、クライアントさんの表情がみるみるうちに

 

変わり始めました。

 

憑き物が落ちたような表情になり緊張がほぐれ表情が柔らかくなりました。

 

本物の感情を吐き出したあとは「スッキリしました」と言われる方が多いです。

 

この「スッキリ感」は感情処理ができた時の感覚です。

 

スッキリしない場合は「本物の感情」をまだ吐き出せていないと考え

 

他の感情を探ります。

 

これが感情処理法です。

 

カウンセリングの中で何度か行う内に自分でもできるようになったので

 

入浴中やトイレ、車の中など一人になれる環境で「悲しみ」を

 

呼吸とともに吐き出してもらい、

 

日常でスッキリ感を感じてもらうようにお願いしました。

 

そのうち彼女は気付きます。

 

「自分一人が頑張らなくてもいいんだ」

 

1日くらい家事をしなくても何の問題もない」

 

「疲れた時はピザをデリバリーして、子供や夫と一緒にゴロゴロすればいい」

 

それまでは「自分がやらなければ」と言う気持ちが強かったのですが、

 

セルフの感情処理をすることで考え方が自然に変わっていったのですね。

 

子供に手を挙げたり、夫にあたることもなくなり、ストレスが激減しました。

 

何を試してもスッキリせずにイライラが続くと言う方は、

 

心の底にある「本物の感情」に気付き、

 

その感情を吐き出すことが効果的です。

 

普段から自分の内側を見つめる習慣(内観)がある方は、

 

セルフで気付くことも可能だと思いますが、

 

内観に慣れていない方はカウンセリングでサポートを得ることも可能です。

 

心理学講座では感情処理法をセルフできるように知識やスキルをお伝えています。

 

自分で「本物の感情」に気付いて、自分で処理できるようになると

 

不快な気持ちから解放されてストレスを感じる時間が減ってきます。

 

「何をやってもイライラが止まらない」

 

そういう感覚が続いているなら

 

「本物の感情」と向き合うべきタイミングなのかもしれません。